南相馬米's

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株式会社飯崎生産組合
水谷隆さんVol.2





土をつくり、種を蒔く。苗を育て、田植えをし、その育ち具合を見守りながら、時期に応じた作業を積み重ねる―。自然を相手にする農業は、天候に左右されやすいものであり、だからこそ非常に魅力的だと語る「天のつぶ」生産農家の水谷隆さん。その育成状況を、スマート農業などの最新の話題も合わせてお伝えします。

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株式会社飯崎生産組合
水谷 隆 さん





前回から2ヶ月経ちましたが、お米の生育状況はいかがでしょうか?

 あれから夏の暑さと、冷夏じゃないかというくらいの涼しさと、極端な気象条件があり、米も成熟するのになかなか厳しい環境だったのではないかと思います。その中で出来る範囲のことはやったつもりですが、今年どういう出来になるかは、これから稲刈り、乾燥、籾摺りをして、どういう出来になるか確認したいと思います。

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前回は電気柵はありませんでしたが、どういうタイミングで設置したのですか?

 ここ数年見てみますと、統計的に7月の下旬あたりからイノシシの活動が活発になってきまして、今年も別な圃場で入り込みが見られました。それでぼちぼち電気柵を回す時期だろうと、8月になってから電気柵を設置しました。震災後にイノシシの生息数が増え、圃場を荒らすようになっており、念のため電気柵を設置をしている状況です。


今年の「天のつぶ」の出来はいかがでしょうか。

 最終的には刈ってみなければわかりませんが、見た感じでは、ある程度のいい出来に仕上がったんじゃないかと思っております。あとはどういう食味になるかですが、適期刈り取りでいい品質で収穫したいと思います。

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この時期に気をつけなければならないことは何ですか?

 台風などの自然災害が来ないこと、今の状態の中で稲刈りが出来ることを願うしかないですね。適期刈り取りということが非常に大事になってきますので、稲穂の状態を見ながら稲刈りを進めます。あとは乾燥調整で美味い米になるような乾燥の仕方や選別の仕方を、基本に立ち返ってやり、品質のいい米を作り上げたいと思っています。

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前回水管理をスマホでやっているお話を伺いましたが、ほかにそういったスマート農業を取り入れているものはありますか?

 育苗ハウスに小さな温度センサーを付けており、それもスマホで見られるようになっています。あとはドローンですね。ドローンを飛ばし生育診断をして、そこからどういう肥培管理をしていくか決める、いわゆるリモート・センシングという技法を取り入れています。それと付随して、今までは肥料を一面に同一均布をしていたのですが、生育診断を元に可変施肥(かへんせひ)と言う必要なところに必要な分だけ肥料を落とすようなシステムの機械を使っています。
あとはトラクターの自動操舵システムなどで、なるべくオペレーターに負担のかからない、オペレーター自身が熟練でなくてもある程度の作業が出来るというところに向かっています。これから農業に入ってくる人が、トラクターやコンバインの技術がそんなに熟練していなくても、ある程度の作業はそういう機械が補ってくれます。それがあるとオペレーターの疲労感が全然違いますし、作業が効率化されます。

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震災前は収穫後に神社への奉納行事があったそうですが、どういったことをされていたのですか?

 9月節句と言いまして、収穫されたものをそれぞれの神様にお供えしていました。氏神様、水神様、火の神様等々に、藁で作った筒の中にお蒸かしを入れ、幣束を一緒にお祀りしていました。だいたい10月の中旬頃だったと思います。
 震災以降、なかなかそういう行事もなくなってしまったし、9月節句とか何節句というのが、何となく死語になってきたのかなという感じですが、いくら我々がスマート農業の機器を取り入れても、最終的には自然が相手なんです。自然に感謝をしながら、そこから収穫物を得ているということに感謝を申し上げたい。それはどこかで、やっぱり何らかのことはしなきゃならないなと思っています。自然は優しいばかりではなく時に牙を剥いてくるので、その中で農業をやるということは、そういうものと付き合っていかなければならない宿命なので。


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稲刈りへの意気込みを一言。

 これから9月下旬から10月中旬まで非常に忙しい、気ぜわしい時間を迎えるわけです。私を含めて従業員が無事故であること、安全に作業が出来るということが一番大切ですね。そして収穫物がなるべく多く採れるように、美味しい米になるようにということです。安全に作業が出来ることを願いながら、今年の稲刈りに向かっていきたいと思っています。


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個人でやっていた時代から生産組合になって、休日は増えましたか?

 日曜日は完全休日にしているので、社員が日曜日に出てくるのは年に1、2日あるかです。俺は別ですよ(笑)。仕事はしないんですけど、ぶらぶら圃場を巡り歩いているのが、俺の余暇の過ごし方。だから、これを辞めたら、あとは何やんだべなぁって。個人でやっていた若い頃には、定期休に憧れましたが、こうなるとは思わなかったですね。
 だんだん景色が黄金色に染まってくると、徐々に震災以前の景色に戻ったなと感じます。こんな中で生活してたなって。荒れていた土地が少なくなってきているというのは、非常にいいことだなと感じています。

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(株)飯崎生産組合 会社概要

会社概要

社名 株式会社飯崎生産組合
設立年月日 平成31年2月15日
業種 農業
資本金 1,200万円
構成員数 5名(令和3年現在)
所在地 福島県南相馬市小高区飯崎字西根田84番地
代表取締役 水谷 隆(みずがい たかし)

直進アシスト田植機やドローンを活用したスマート農業を取り入れながら先進的な農業に取り組んでいます。

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地域概要

福島県の浜通りに位置し、太平洋に面した地域です。
海からの影響により、気候が夏は冷涼、冬は温暖な地域です。

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お問合せ先

株式会社飯崎生産組合の見学、就農等に関するお問合せは、下記までご連絡ください。
TEL:090-1497-3871(代表 水谷 隆)
(受付時間:8:30〜16:00 日曜、祝日を除く)




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